今週はセンチメントの改善がみられるドルと株式相場がどこまで戻りを試すのかが焦点だ。原油価格の騰勢が一服しており、市場では、世界経済へのマイナスインパクトを懸念する見方が後退している。
ISM製造業景況指数や雇用統計など5月の米指標が注目材料で、予想以上に悪化しなければ市場心理が反転することはない、という。ドル/円で106円、日経平均で1万4500円が短期的なターゲットとされている。
<マクロ関係>
●3日に池尾・日銀審議委員候補の所信聴取
国会は3日、衆参それぞれの議院運営委員会で、政府が29日に提示した国会同意人事の日銀審議委員候補である池尾和人慶大教授の所信聴取を行う。スタートは衆院が午前11時半からで、参院は午後2時から。それぞれ質疑を含めて30分程度が予定されている。そのうえで各党は池尾氏に対する賛否を検討し、後日に行われる衆参それぞれの本会議で判断を示す。注目は参院第1党の民主党の判断だが、現段階で池尾氏に対して否定的な見解は聞かれておらず、同意される可能性が高いと見られている。
<マーケット関係>
●日経平均は為替と金利動向をにらみつつ1万4500円をトライ
東京株式市場では、為替と金利動向をにらみつつ、日経平均が1万4500円をトライする展開となる見通し。ファンダメンタルズ面では、特に積極的な買い材料となるような要素は見当たらないものの、商品価格高騰を背景にしたインフレ懸念による金利上昇圧力で、債券離れ/株式選好の流れが続くとみられている。海外投資家の日本株への投資意欲は強まる傾向をみせており、しっかりとした展開となりそうだ。
●株価と日米金利差を見据え、ドルが106円を突破するかが焦点
外為市場では、このところ堅調な米株式市場と拡大傾向にある日米金利差を見据えながら、ドルが最近のレンジ上限とされる106円の壁を突破し、かつ106円以上に定着するかが焦点となる。6日に発表予定の5月の米雇用統計では、米雇用市場の悪化が予想されているが、米株が底堅さを維持する限り、ドルにとって大きなマイナス材料にならないとの見方も浮上してきた。
●長期金利は10年債入札で需要見極め、投資手控えなら再上昇も
円債市場は、6月3日に実施される10年利付国債(1兆9000億円、2018年6月20日償還)の入札で、主要投資家の需要が確認できるかどうかが焦点となりそうだ。依然としてリスク許容度低下が鮮明となっており、国債需給をめぐる不安感は払しょくできていない。入札が不調なら、長期金利の代表的な指標となる10年債利回りは、再び1.8%台に上昇する可能性がある。
<主な経済指標関連>
4日(水曜)
08:50 1─3月期法人企業統計(財務省)
法人企業統計の中で公表する1─3月設備投資(原数値、ソフトウェア投資含む)は前年比マイナス9.6%程度と、10─12月期のマイナス7.7%より低下幅が拡大、4四半期連続のマイナスとなりそうだ。発表数字が予想通りになれば、11日に発表される実質国内総生産(GDP)2次速報の下方修正要因となる可能性が高い。
0 件のコメント:
コメントを投稿